住まいを借りる契約の流れ
賃貸住宅を借りる際には「知っていなければならないこと」、「知っていると得をすること」がたくさんあります。
さらに、上手にお部屋を探す【失敗の少ないお部屋探し】の方法など
ここではそのような情報のポイントを紹介しています。
失敗しないお部屋探しのコツ
1.予算と希望を整理する
部屋探しには、自分や家族にとって何が大切かを決めておくことが重要です。
すべての希望を満足させる物件を見つけることはなかなか難しいですから、
どのような条件を優先するのかを決めておかないと、いつまでたっても物件を決められなくなってしまいます。
とはいっても、あまり希望する条件をたくさん持ちすぎると候補が無くなってしまいます。。。(←ここが難しいポイントです)
そこで
当店へお問合せやご来店頂いたお客様と活用している、
【オススメの希望条件整理のやり方】
を掲載致しますので、是非ご参考にしてください。
①希望する(理想の)条件をひたすら書き出す(⇒以下、条件シートとします)
ポータルサイト等の検索条件によくある項目(間取り・エリアなど)ももちろんですが、
ご自身(一緒に住む方がいる場合はその方も)の思いつく限り、希望の条件(理想)を書き出して下さい。
※実在の可否は問わず思いついただけ書き出して下さい
例:家賃●●円まで 駅から●分以内 カウンターキッチン 都市ガス 鉄骨 ペット可 オートロック
などなど…
逆に、これは嫌(避けたい)条件でもOKです
例:プロパンは嫌 オール電化は嫌 ペットは苦手だからペット可物件は嫌
などなど…
②書き出した条件の項目をそれぞれ
A:絶対に譲れない(叶えたい)
B:できれば叶えたい
C:言ってみただけ(あれば嬉しい)
にランク分けをします。
もちろん、相反する条件(新築2LDKでワンルーム並の賃料など)でどちらか妥協する必要もでてきますが
ここではそのままにしておいて下さい。
・Aを選ぶ際は、3つ(多くとも5つくらいまで)程度に絞り込んで下さい
とはいえ、希望(理想)なので「絶対に」とはいいつつも
諦めないといけない場合もありますし、必然的に(物件に)備わっている場合(簡単にクリアできる条件)もあります
・Bはできれば叶えたい(あれば嬉しい)条件です
Aに入れるか悩んだ結果Bに入るパターンが多いかと思います。
もしくは、Cほど優先順位を下げたくない場合もあると思います
・Cは「あったらラッキー♪」ぐらいの条件です
③この条件シートを元に、相性の合う(←※ここも重要)不動産店とお部屋探しをしてみてください。
担当してくれた不動産店の方と接してみて
「なんだかこの人苦手…」
「聞きたい答えが返ってこない…」
「雑っ!」
等々、直感的に嫌だな。。と感じた場合は要注意です。
そもそもこちらの話しを聞いてくれない場合は論外ですが…
炎上覚悟で申し上げますが、
お客さんの希望はそこそこに
「これがオススメです!」
「これがピッタリですよ!」
「人気物件なので今すぐ申込しましよう!」
と言う営業は【お客さんの希望<自分の売り上げ】です。
話しが逸れましたが・・・
条件シートと照らし合わせ、
・現在募集中の物件
・過去に募集のあった物件
・希望の条件を入替えると叶う物件
・大幅に条件を見直さないといけない場合
と、色々なパターンがでてきます。
その中で
・本当にその条件がAなのか
・話しているうちにBがAになった
・Cだと思っていたらAだった
などなど、大下剋上も有り得ます。
このやり取りに応えてくれる営業さんに出会えると良いですね♪
さらに、
・お部屋を決めないといけない期日がある場合
・良い物件があれば動き出す場合
等の引越し時期によっても候補となる物件が変わったり、どうしても妥協するポイントが多くなる事もあります。
ここまで読んで下さった方でも、
『あ~!めんどくせ~な。。。』
と思われる事と思います。
失敗しないお部屋探しの為には、少々面倒ですがこのやり方が一番の近道なのです。
ポータルサイトやアプリのお部屋探しも非常に便利ですが、
条件を入替えたり追加したり削除したり…
と柔軟な検索が難しいのが難点です。
一般的な希望条件
【エリア】【間取り】【賃料】【駅からの距離】
【駐車場】【ペット】など
だけで出てきた物件は本当の意味で希望通りの物件では無いはずです。
不動産店に「部屋を探したい」と訪れ、初めに希望を聞かれる内容もほとんどこのパターンです。
※もちろん、それが無いと数ある候補の中から絞り込む事すらできないので必要です
それだけで紹介されたお部屋が
「なんだかしっくりこないけど…」
「ここしか無いみたいだからここにするか…」
「勧められたからここにしとこう」
とならない為に、少しでもお役にたてれば幸いです。
【予算の目安(決め方)】
まず、いくらまでの賃料なら無理なく支払えるかということが重要になります。
一般的に家賃の理想は手取り収入の30%程度に抑えておくことが賢明だといわれています。
会社から家賃補助が出る場合や、ある程度のまとまった貯蓄でやりくりできる
多少の事を我慢してでも、良い(広い・新しい)部屋に住みたい!
など、みなさんそれぞれの事情や価値観の違いもあると思いますので
賃料のご予算はざっくり幅を持たせておいて下さい。
2.家賃の相場を調べる
部屋探しを始めるとき、最初に予算を勘案しながら、自分が希望する地域の「家賃相場」を調べることが大切です。
家賃相場は地域ごとにほぼ決まっています。例えばワンルームマンションの相場が「7万円台」の地域で「5万円台」の物件を探しても、見つかる可能性は低いということです。自分が払える予算と希望地域の家賃相場を比べてみて、予算の方が明らかに少ないときは、自分の希望条件を譲歩して家賃相場がもっと安い別の地域で探す方が近道です。また、2月~4月や9月は不動産会社の繁忙期で部屋数は多くなるものの競争が激しくなり、若干相場が高くなる傾向にあります。
具体的な賃貸情報の集め方
1.インターネットや情報誌
インターネットによる賃貸情報収集は広範囲の情報を素早く収集できますし、賃料相場を把握するのにも非常に便利です。
賃貸情報誌は不動産会社から賃貸物件の広告を集めて消費者に届けるものです。
情報を集めてから発行するまでに1~2週間かかるので、情報誌が発売された時点では、すでに成約してしまった賃貸物件が掲載されていることもあります。
しかし、賃貸情報誌には、数多くの情報を手軽に見ることができるというメリットがあります。
2.不動産会社の賃貸情報
不動産会社は、二つの方法で賃貸物件の広告を出しています。
一つめは、インターネットや賃貸情報誌を利用して直接消費者にPRする方法(消費者向け情報)です。
二つめは、他の不動産会社に対して賃貸情報を公開する方法(不動産業界内情報)です。
この業界内情報は、直接消費者の目に触れることは少ないのですが、不動産会社に行けば見せてもらうことができます。
入居の申し込み
1.入居申し込みは「契約」ではない
物件を下見して気に入った場合、不動産会社に「入居申込書」を提出することになります。
この入居申込書の書式は、不動産会社によってまちまちですが、記入項目は住所・氏名・年齢・職業・年収などになっています。
入居申込書は、あくまで入居する意思を確認するための書類であって、賃貸借契約書ではありません。
したがって、入居申込書を提出した後でも、入居申込みをキャンセルすることが可能です。提出する前に、この点を不動産会社に再確認しておくとよいでしょう。
ただし、軽はずみなキャンセルは不動産会社に迷惑をかけることになるので、申し込みはくれぐれも慎重にしてください。
2.入居審査で落ちることもある
家主は入居希望者が提出した「入居申込書」をもとに、その希望者を入居させるかどうかを判断します。
これを「入居審査」といいます。入居審査にかかる時間は大体一週間ぐらいです。
この入居審査で家主が入居をOKしないケースもあります。
家主から見れば、自分の財産であるマンションやアパートを他人に貸すわけですから、経済的に安定している人や、生活上のルールを守る人に部屋を貸したいと考えるのは、当然のことといえるでしょう。
3.預かり金を支払うとき
物件を下見して気に入った場合、入居申込書を提出する際に、数千円から家賃の1ヵ月分ぐらいの金銭を不動産会社に預けるケースがあります。
この金銭は「預り金」「申込証拠金」「申込金」などと呼ばれています。
金銭を預けた場合でも「借りたい」という意思表示を行ったに過ぎず、契約の優先権を確保したわけではないことに注意しましょう。
つまり預り金を不動産会社に預けても、家主の承諾がなければ契約は成立していないとみなされます。
契約が不成立の場合は、預り金は返還されるものですが、念のためそのことを明記した預り証を受け取りましょう。
契約が成立した場合は、一般的には必要な費用の一部として取り扱われます。
賃貸契約を結ぶとき
1.契約までに用意する書類一覧
(1)契約までに用意する書類一覧
賃貸借契約までに個人で用意する書類は次のとおりです。
(A)は一般的に必要なもの、(B)は必要な場合があるものです。
(なお法人契約の場合は異なります)
(A)入居する人の住民票・入居する人の収入を証明する書類
(B)保証人の印鑑証明書
(2)契約までに用意するお金一覧
首都圏の場合、賃貸借契約までに用意するお金と、その目安になる金額は次のとおりです。
●礼金…家賃の0~2ヵ月分
●敷金…家賃の2~3ヵ月分
●仲介手数料…家賃の0~1ヵ月分+消費税
●前家賃…家賃と管理費の1ヵ月分程度
●損害保険料…1~2万円程度
(3)入居する人の住民票を用意する
賃貸借契約の際には、入居する人の住民票を提出するのが一般的です。
したがって、賃貸借契約の日取りが決まったら、できるだけ早く入居する人(自分だけでなく入居する家族全員)の住民票を用意しましょう。
住民票は、市区町村役所またはその出張所で交付してもらいます。
(4)入居する人の収入証明書を用意する
賃貸借契約の際に、入居する人の収入証明書を提出するケースがあります。
収入証明書が必要かどうか、不動産会社に事前に聞いておきましょう。
収入証明書とは、サラリーマンの場合、会社から年に一度交付される「源泉徴収票」ですが、毎月の給与明細書でもよいことがあります。
また、自営業の場合は、税務署に確定申告をした際に交付される「確定申告書の写し」や「納税証明書」が必要になります。
(5)保証人の保証書を用意する
保証人の保証書とは、万一の際には保証人が入居者の債務(家賃の滞納分など)を肩代わりするという内容の書類です。
これは、不動産会社によって書式も名称もまちまちです。
「保証書」「保証契約書」「連帯保証契約書」「保証人引受承諾書」などいろいろな名称があります。
いずれにしても、保証人が入居者の債務を保証するという内容の契約書です。
保証書には通常の場合、保証人の実印を押印することになっています。
賃貸借契約を結ぶ前に、早めに保証人にこの保証書を書いてもらいましょう。
2.重要事項説明書と賃貸借契約のチェック項目
1)重要事項説明書をチェックする
重要事項説明書とは、物件概要や契約内容を詳しく記載した書類です。
不動産会社は、賃貸借契約を結ぶ前に、この重要事項説明書を入居者に交付する義務があります。
重要事項説明書は、契約書と重複する内容も含んでいますが、非常に重要な書類です。
不動産会社は、重要事項説明書を入居者に交付する際に、その内容を入居者に説明する義務があります。
このとき内容を説明するのは、一定の資格を持った人(宅地建物取引主任者)が主任者証を明示して行わなければなりません。
重要事項説明書の内容を聞いているときに、疑問が出てきたら、その場で質問してください。
※重要事項説明書に記載するべき内容は法律で定まっている内容になります。その為、記載されていない内容でも『知っておきたい事』『気になる事』は遠慮なく質問してください。
そして、最終的に納得してから、契約手続きに入ってください。
また、定期借家契約(更新のない賃貸借契約)の場合、ここで必ず説明があります。
定期借家契約は、期間が満了になると契約終了ということになりますが、互いに合意すれば再契約できますので、十分に説明を聞いてください。
2)契約書は納得してから署名する
賃貸借契約書には、すぐに署名・押印するのではなく、不動産会社に分からないところを質問して、納得してから署名・押印するようにしてください。
賃貸借契約書を結んだ時点で、契約のキャンセルは原則的にできなくなるからです。
例えば、契約を結んだが、後日気が変わり、入居前に契約をキャンセルしようとしたとします。
入居前であっても契約は始まっているわけですから、通常の場合、礼金・仲介手数料は入居者には戻ってきません。
入居者には、基本的に敷金が戻ってくるだけです。